2012年6月14日木曜日

心のサポーター

今回は心臓移植の話

先週心臓外科、今循環器内科を実習しているのですが
最近、九州大学では心臓移植が行われたのですよ。

ということで、
偶然ながら、心臓移植の現場にいたわけで
心臓移植についていろいろ話を聞く機会があったので
それについて書いていこうかと思います。



心臓移植を行うとき
それは、重症慢性心不全を起こす疾患で
薬物療法などの他の治療法がうまくいかないとき
いわゆる最後の手段ですね。


現在までの
心臓移植希望者(レシピエント)の登録者数は約600名

そのうちのだいたい

三分の一がすでに移植を受けていて、
三分の一が移植を待っています。


そして

残りの三分の一は

移植を待っているうちに亡くなってしまうそうです。


心臓移植は現在
登録してから移植を受けられるまで
だいたい3年待ちの状態です。

心臓移植が必要なほど重症な心不全の患者さんが
3年間生きることは
そうとう困難なことでしょう。

そこで
出てくるのが
人工心臓というもの

これは弱った心臓から血液を取り出し
機械の力で血管へと送り出すというもの
ようするに、弱った心臓の機能を機械で補助するわけです。

そんなのあるなら
心臓移植しなくて大丈夫じゃん
とか思う人もいるでしょうが

人工心臓にもデメリットはあります。

体外式の人工心臓は
管理のため、入院し続けなければなりません。
つまり
移植までの3年間は病院から出ていくことはできないということです。
これはかなり大変なことでしょう。

しかし
この問題は技術の進歩によって解決されつつあります。
人工心臓を小型化し体内に植え込むことができるようになり
病院を離れて生活することが可能になっています。
これからの人工心臓は植え込み式へとなっていくことでしょう。

そして
もう一つの問題が合併症

人工心臓を入れるということはそこが感染の元になる危険性がありますし

血液は異物に触れると固まりやすくなるという性質があり
人工心臓では血栓ができやすくなっています。
血栓が脳に飛ぶと脳梗塞になったりとかなり危険です。

そうならないようにワーファリンやヘパリンなどの抗凝固薬を使用しますが
これにも問題が

抗凝固薬は血液をさらさらにするわけですが
あまりにさらさらにし過ぎると
逆に出血が起こりやすくなってしまいます。
しかも、脳での出血が多いです。
こうなるとまた非常に危険な状態になります。


こういったいくつもの困難の中
3年間生き延びた人がようやく心臓移植にたどり着けるのです。
その間、本人はもちろん
その家族にも大変な負担がかかります。
生半可な覚悟じゃ移植にたどり着けないというのが現状のようです。



久々にまじめなことを書きましたね。
結構長くなってしまって、疲れたー


おまけ
最近の広大くん
お座りしてるっぽく撮りましたが
支えがないと倒れちゃいます。
まだ、お座りはできないみたいですね。

しっかし、かわいいな~。癒されるぜ!


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